AIと認知能力に関する研究を追っていて、かなり心当たりのあるものを知りました。

「あとで外部から取り出せる」と分かった条件では、自力で覚える条件に比べて、実験中の情報の脳内表現が弱まった、という研究です。10月5日に Scientific Reports で公開されました。

これを知って、AI議事録が出てから余計そうなってない?と思いました。

研究では、36人の参加者に顔や風景の画像を見せ、その後で「覚えておく」「あとで外部の手助けがある」「テストしないので忘れてよい」という3種類の指示を出しました。外部の手助けがある条件では、テスト時に正答まで表示される仕組みです。

その間の脳活動をfMRIで調べると、外部に任せられる条件では、「覚える」よりも「忘れる」条件に近い脳活動が見られました。また、見た画像が顔だったか風景だったかを脳活動から読み取れる程度も、自力で覚える条件と比べて弱くなっていました。

「今の話はどういうことだった?」
「何が決まって、何がまだ分からない?」

こういうことを、その場で自分の中にまとめなくても会議が終わる。記録はちゃんと残っているので、困っている感じもあまりしない。

今回の実験がそこまで示したわけではないですが、AI議事録についての自分の実感とはかなりつながりました。

もちろん、記録を任せることで、相手の話を聞いたり質問したりする余裕ができる使い方もあるはずです。全部自分で記録すればいい、という話でもないと思います。

記録を残すことと、その場で自分が理解することは別。

AI議事録が便利になったぶん、この二つを一緒に任せてしまっていないかは、ちょっと気になります。

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紹介した論文:Scarampiら「Cognitive offloading weakens the neural representation of to-be-remembered information」Scientific Reports(2026年10月5日公開)。

論文を読む(Scientific Reports)